
上司や同僚の信頼も厚く穏和な彼は
休日は独身仲間と趣味の自転車を楽しんだ。
結婚しないと決めたわけではないが
相手もいないし敢えて考えぬ儘に45才を迎えた。
出張帰りに久々に立ち寄った実家で
顔を見るなり泣き崩れた母。

同級生は中学生の子もいる
おまえは何を考えているのか。
優しい母の豹変ぶりに我が身の現実を実感して、来社した彼。
気に掛けつつも
今日まで何も言わずにいた母の心情も伝わる。
家庭を持ち寄り添い生きる大切さを母は伝えたかったのだろう。
親だからこそ真剣に思ってくれるのだろう。
異性との交際に自信がないと打ち明けた彼は
カウンセリングを受け結婚に向かっている。
